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ホノカグツチを屠ったイザナギはもう一度イザナミに会いたいという気持ちから地下にある死者の国・黄泉の国を訪ねました。
そして出迎えてくれたイザナミに「愛しの妻よ、私達はまだ国を作り終えていない。戻ってきてはくれないか」と伝えます。
しかしイザナミは「残念な事ですが、あなたがすぐに助けに来てくれなかったので、黄泉の国の食べ物を食べてしまいました」と答えました。
黄泉の国の食べ物を食べてしまったイザナミは、今や黄泉の国の住人となってしまっていたのです。
「ですが、折角愛しいあなたが迎えに来てくれたからには、私も一緒に帰りたいと思います。黄泉の国の神に相談してきますから、その間、私の姿を見ずに居て下さい」
と言い残してイザナミは御殿の中に入って行ってしまいました。
最初の内は大人しく待っていたイザナギですが、どれだけ待てども一向に出てこないイザナミにしびれを切らし、髪に挿していた櫛の歯を一つ折って火を点け、御殿を照らしながら覗いてみました。
するとそこには体から沢山の蛆虫を湧かせ、雷を纏ったイザナミの姿があり、これに驚いたイザナギは一目散に逃げ出しました。
約束を破られたイザナミは「恥をかかせましたね」と黄泉の国の魔女・魔軍を差し向けイザナギを追いかけます。
とうとう黄泉の国から地上へと降りる坂・黄泉比良坂に辿り着いたイザナギですが、最後はイザナミが自ら坂の下まで追いかけてきたので、驚いて大きな岩で坂を塞ぎ、その岩を挟んでついには「離婚しよう」と切り出しました。
「あなたがこんな事をされるなら、私はあなたの国の人を一日で千人殺してあげます」
とイザナミは言い、
「あなたがそうするなら、私は一日に千五百もの産屋を建てましょう」
と返しました。
こういったことがあってから、人間は毎日千人が死に、そして千五百人が生まれる様になったのです。